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モルゲンロートは環境製品を専門とする販売店です。幅広いラインナップの微生物(各種環境用バクテリア)応用製品で皆様とご一緒に環境対策に取り組みます。海老名商工会議所会員

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結局のところどういう理屈?バクテリアとその効用についてあなたが知っておくべきこと。

「バクテリア利用」の効能とは

 バイオレメディエーション(微生物による環境浄化)という言葉をご存知でしょうか。化学工場の廃液が地中に漏れだしたりして汚染された土や地下水をバクテリアで処理しようというものです。生活排水、生ごみ対策以外にも用途が広がっています。


 原油や汚染物質を薬剤で処理すれば、反応後の発生物や吸着剤を回収することが多くコストも環境負荷もかかります。また薬剤自体や反応した後の物質が有毒であることが多いのです。これに対してバクテリアは基本的に分解消滅をしますので、最終的に水と炭酸ガスといった安全なものに替えてくれます(*例)。

 それに薬剤が触れた所しか効かないのに対して、バクテリアは増殖して処理が進みます。例えば原油の流れ着いた海岸では、簡単に撒いただけで石の裏側までキレイにしてくれます。ごく自然な働きで、環境にも良いのです。

 また定着して効果が持続するのも特徴です。例えば排水管には管内につくカスを食べるバクテリアを使えば、殺菌されないかぎり処理し続け、詰まりにくい状態を保ってくれます。

 これに対して薬剤は途中で反応が終わればそれきりです。固まるとかなり厄介な様で、パイプ洗浄の業者は薬剤を嫌います。もともと薬剤を使えば化学物質を撒き散らすことになります。特に大規模になる環境浄化ではコストが安いという面があります。以下にバクテリア利用と薬剤使用の比較を表にしてみました。

比較項目薬剤(化学反応)バクテリア(生体反応)
処理中の反応
処理中のエネルギー消費
使用する溶媒
反応の仕方
反応後生成物
使用する触媒
使用物質
激しい
大(高温を保つなど)
多くは有機溶媒
単純
非生物的(環境残留性)
有毒の場合が多い
多種
温和

水が主体
複雑(実際の手間はかからない)
生物的(環境中で分解される)
肥料の様なほとんど毒性が無い物
限定的

*油類分解の例:高分子炭化水素→低分子炭化水素→水、二酸化炭素といった流れになります。
*汚泥などの分解の例:炭素、水素、窒素など→酸素と結び付く形で→炭酸ガス、水、窒素ガスとなり、容易に再循環される形になります。 

 どんなものに使えるか

 バクテリア(菌)と聞くと何か汚いものを想像してしまいがちで、有用なものといっても酵母や乳酸菌、納豆菌しか思いつかないでしょう。

 乳酸菌で胃癌の元のピロリ菌を駆逐するというのはようやく知られてきましたが、その特殊能力を応用できないか研究されているものが沢山居ます。例えば100
℃を超える熱水に住んでいたり、硫黄など栄養分とは思えないものを食べている変わり者達です。

 専門会社はこれらの中から必要なものを一種類ずつ取り出し(単離すると言います)、培養しているのです。PCBなどの汚染物質用も次々と製品化されています。また生ゴミから水素やメタンを発生させ、発電などに使うこともできます。

 PCBでの例を挙げると、最大2000ppmのPCB分解除去率が99%以上というデータもあります。この時発生したのは水と炭酸ガスと増えたバクテリアです。金属のリサイクルも期待されています。すでに製品化されたものには、油分解、消臭、水質浄化といった身近な問題解決用のものが多く、手軽に使える様にできています。

 製品は売っている?

 土壌汚染については装置を組んで大規模に処理するのですが、油類や食品カス用、消臭用に製品化されたものは固形やスプレーなどコンパクトな商品になっています。トップでご紹介しているのがそれら製品です。

 従来の消臭剤では化学物質が臭いの分子に作用するのに対して、臭いの元を分解するため少し消臭の原理が違います。オムツの後処理やペットの消臭には安全で使いやすいのです。コンポストにバクテリアを使うと、ただ生ゴミを入れるのに対して分解は格段に速くなります。そして臭いません。臭うのは腐敗菌が優勢の時です。


 これほどの効果がありながら、日本では薬剤や機械での処理が先に流行ってしまい、バクテリアはあまり注目されていません。それでも、一部の店でバクテリア含有商品が見られるようになってきました。だんだんと広まっているようです。

 進歩しています

 以前は塩分が多い場合はバクテリアの活性が落ちるので海水の混じる場合難しいとされていました。また食べ残しの食品も塩分が多過ぎると言われました。しかし、海水中でも活性が保たれる様改善されてきましたし、コンポストでは問題なく分解しました。仕様書は変わりが無くても、内容は良くなっているのです。

 売って終わりではありません。

 スプレーや固形の個製品になっていれば、それは個々にお売りしています。しかし、機械や薬剤と違うのは現場の状況によってバクテリアを育てるという部分があることです。

 事業所においては、phや温度は範囲内かどうか、汚れ(養分)が多すぎてバクテリア剤が足りないことはないか管理できる現場であれば良いのですが、忙しかったりバクテリアは初めてという現場では保守と一体のものとして取り入れる方が安心です。

 そこで見つかった問題点からいろいろな改善が始まるのです。そしてそれは直接環境対策につながります。まず解らない事は問い合わせてください。


 製品をお奨めする理由

 よく単種の菌で効果が高いと言うものがあります。医薬や食品製造では室内やタンク内など環境が安定していて確かに効果が上がるものですが、いざ排水や土壌に使うとなると、そこには様々な条件があります。

 こういう時にはやはり数種の菌が配合されている方が、総合力で効果を出せるのです。また何種類か入っているとしても、自然発生的集合体では何時の間にか単種のみになっていたということも起きてきます。

 それでは効果が得られないのです。よく選定され配合されているバクテリア製品でこそ効果を上げられるのです。米国では専門メーカーが何社かあり、産業的にも成長している様です。当ホームページではその専門メーカーの中でも効果が高い製品を揃えています。ただし製品内容についてはその配合そのものが特許であり、何の菌かは公開できません。

 また1製剤で何でも対応するというのは、少々無理があります。上の方で書きましたが、バクテリアがそれぞれ食べるものが違うことで、目的別の製剤を作ります。目的別に特化したモノの方が使い易いのは自明のことです。

 逆に言えば、万能を謳う製品は無いはずです。ましてや純粋に学問的なことですから、神や心の問題とは関係ありません。この点はユーザーの皆さんも良くご理解いただきたいと思います。

 短所はなにか

 短所はやはり即効性がないということが一番でしょう。消臭剤にしてもスプレーした瞬間に臭いが消えるというより、後から効いてきます。大きな水処理施設では日数もかかりますが、単純な消臭なら長くて数時間待つだけなのです。

 また、生き物ですから死んでしまうと効果が無くなります。無意識に殺菌剤を使ったり、流し台のゴミ受けが銅製だったり、熱湯をかけたりすれば死にます。

 よく生ゴミ処理機やコンポストで失敗するのが、竹の子の皮を入れたときです。竹の子の皮には殺菌成分があり、中の菌が死んで堆肥ができずに腐敗してしまうことがよくありました。その理由から増殖するとしても追加が必要になるのです。

 また腹八分目を真面目に守るので、分解すべき対象とバクテリアの量を間違うとやはり処理し切れません。特に浅いグリストラップなどで滞留時間の短い場合、増殖する前に流れてしまうので効果が出にくいことがあります。

 更に温度によって効果に差が出ることがあります。ただ一般に低温時は活動が鈍りますが、学習効果があるため定着させておくと死滅しないで効果が持続します。

 例えば排水処理では北海道の飲食店でも充分継続使用ができるのです。もっとも夏場に良く効いてくれるので消臭ではありがたいのですが。目安としては、人が快適でいられる温度が一般的なバクテリアにおいても最も活動しやすい温度です。

 安全性は
 輸入されるバクテリアはどれも米国菌株保持機関ATCCで第1種に属する安全菌を使用しています。
例えばOE1なら・・・
 EPA米国環境保護局で安全性・有効性が認められ、日本では植物検疫法、家畜伝染予防法で無害を確認しました。更に日本食品分析センターで急性経口毒性試験、皮膚一次刺激性試験を受けています。
 
 対環境性は
 また生態系を危惧する方もあるかと思いますが、動物や植物と違い在来種を駆逐するようなことはありません。結局は身の周りに居る様なバクテリアで、処理する力を高める為に沢山集めたという理屈ですし、食べるモノが違うと喧嘩にはならないのです。

 ある土地に投入しても処理が終わると菌は元の集まりに戻っています。逆に、殺菌処理はお互いに牽制して安定していた菌の構成をぶち壊すため、腐敗菌だけが急激に増殖してしまうということが起きるのです。

 例えば病原性大腸菌は他の菌が居ない、比較的にキレイなところで増えると言われます。無菌化が進むと人の抵抗力も下がるとも言われ、安易な除菌は考えものです。
以上バクテリアについてまとめてみました。
読んでおきたい本―
「地球をまもる小さな生き物たち-環境微生物とバイオレメディエーション」
編集 児玉徹 大竹久夫 矢木修身  技報堂出版